第三章 捕食者と餌のサイクル
3.1 捕食者と餌の振動
a. 捕食者−餌生物間の個体数の振動: ロトカ・ボルテラ捕食系(式3.1)
b. 捕食者−餌生物系の振動の評価: 系の保存量(運動の恒量)
ロトカ・ボルテラ系ではつねにdV/dt=0で、リミットサイクルとなる。このような平衡点は中立安定と呼ばれる
3.2 系のパラメータと安定性
a. ロトカ・ボルテラ系の現実的な拡張(式3.3)
b. 3.3式のパラメータによる安定性の変化
(1) kが有限、h=0のとき
dV/dt≦0なので力学系は大域的に安定(→3.6 リアプノフ関数と大域安定性)で、餌個体群を安定化させる働きにより系の振動がとまる。
(2) k=∞、h>0のとき
dV/dt≧0なので系は大域的に不安定(→演習3.2)で、捕食者が餌を食いきれず振動の振幅は時間とともに無限に増大。
(3) (1)、(2)の両方を考える
安定性はパラメータによって変化する。(→演習3.3)
平衡点はホップ分岐(図3.4)と呼ばれる変化をする。(→演習3.4)。
捕食者と被食者の個体数が振動している例(図3.5)
→ただし、捕食者と餌の相互作用が原因かどうかはっきりとはわからない
3.3 パターンの生成と消滅:分岐とカタストロフ
a. 平衡点の生成・消滅のタイプ
ü サドルノード分岐(図3.6)
ü パラメータの変化による平衡点の位置の変化(カスプカタストロフ:図3.7)
Ø 参考:平衡点の位置(図1.7)
b. 振動解の生成・消滅のタイプ
ü ホップ分岐(図3.4)
ü 無限周期分岐(図3.8)
3.4 伝染病の流行
a. 伝染病が集団中に広がっていくモデル(式3.4)
ボンベイ等での例へのモデルの当てはまり(図3.9)
3.5 伝染病による個体数の調節
a. Anderson and May(1979)によるモデル(式3.6)