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[TODO]

99 論文:CNRによる競争排除遅延モデル(+追加計算)
90 モデル:"The specialization v.s. generalization in dietary stoichiometry"(仮題)
60 モデル⇒論文:空間パターン成因モデルのまとめ
50 山プロジェクト調査(大雪山・阿寒湖)手伝い[08/16(Tue)-08/26(Fri)]。
50 モデル:芝草水溜り中立モデル(トガシ蔵王)

20 モデル:"The specialization(略)⇒拡張:空間探索
15 モデル:"The specialization(略)⇒拡張:食物網構造
10 モデル:ミジンコの生活習慣と繁殖成功度の関係
-5 モデル:空間介在2種競争のCNRモデル改⇒(ASS or PoEからのアプローチ?)



07月27日(Wed)

 早朝起き。朝、研究室。
 山に修行に行ってくるので、今月いっぱい仙台には不在。八月一日の午後に帰仙の予定。


07月26日(Tue)

 午後、研究室。
 荷物をまとめつつ自宅作業。まあ自分の荷物なんてたいしてないのだけど、雨やまないかと思いながらやってて、よくよく考えたら台風なんだから待ってる間にどうこうという訳も無く。久方ぶりに上下とも合羽を着込む。午後過ぎバイト。

 夕方、占部さんのところに明日の確認をしにいって、戻ってきて作業続き。夜、計算を仕掛けて準備完了といったところ。これで八甲田から帰ってきたら、藻類多種共存モデルの方の作図が完成、specialistモデルのほうの第一弾テストランの見通しが出てるという感じだろう。

 明日より八甲田調査手伝い。今回の最優先目標は、他のパーティーの足を引っ張らないことと怪我せずに帰ってくること。必要なのは人足で体力といわれてるし(体力の方は甚だ心許無いけど)。あとは調査の様式をなるべく勉強させてもらうのと、余裕があれば折を見てspecialistモデルの展望なんかも考えるとしよう。


07月25日(Mon)

 先週末はあちこちに買い物に行ったり色々とばたばた。研究室にも来て作業はしてたんだがほとんど進んでない。

 正午前、研究室。
 本を読んでから出たら丁度雨に降られてしまって濡れ鼠。怪しかったんだから素直に合羽にしとけばよいものを。

 計算機が何台か熱ぼーそーでkernel panicやら何やら。これが始まるといよいよ夏到来という気分にはなるんだけど、ヤな夏の風物詩だ。というか、体感としてはさほど暑いと思わなかったのと、レイアウトを変更してかなり熱対策してあるつもりなんだが不安だ。そのへんはおおむね津田君に任せてあるんで、僕がやることはもうあんまり無い…はずだ。

 う、長年ずーとminicalを使い続けてきたのだが、完全上位互換のAgendaなんてのがあったのか。とりあえず乗り換え乗換え。

 本日はセミナー(マ)は夏休み。ということで午後はずーと作業。書き足しを重ねて肥大化しつつあるコードをここらで整理。おかしいな、もっとシンプルなモデルの予定だったんだけどな。で、この際ついでにあれこれと遊んでたりしたせいで、あっという間に夜。さてデザインを仕切りなおしてコーディング続き、夜過ぎまで。

 シミュレーション風景のアニメ化。
 月末のオープンキャンパスに向けて、計算機組みからも出し物。僕は丁度仙台に居ないんだけど、今年はマサヤ君がシミュレーションの結果を展示して見せるということで暫く前からあれこれと格闘中、に巻き込まれて、自分のタスクに割り込みイベントが逐次発生中。だんだんとMacintoshに対して不信感が募っていっているようだけど、どの環境でやったって作業の利便性は大して変わらないと思うけどね。要は慣れの問題というか。
 出し物は結果が刻々と変化するシミュレーション風景をアニメーションで御見せして体感していただくという奴で、実のところ見たって何が判るって物でもない。とはいえ、実際に生物を飼ってるわけでもないし、人目を惹くものといえばこのくらい。僕も去年作ったけど、ぱっと見た目は派手なんでそれなりには受けてたらしい。マイマイなど実際の生物には勝てないけどね。
 アニメの作り方自体はいたってお手軽で、計算結果を元に、gnuplotとスクリプトを組み合わせて連番画像ファイルの出力⇒gaimあたりで動画化⇒tmpgencで圧縮、という流れ作業(Win環境限定だが)。使い慣れてるツール類が揃ってるので作業は楽だけど、他のプラットホームでも代替手段は多分あるだろう。

 ちょいと訊かれた連番ファイル作成時の桁数指定を一応メモ、sprintf()を使うだけなんだけども。たとえば五桁でゼロフィルさせるとして、perlならstr=sprintf( "%05d", $num );、Cならsprintf(char* str,"%05d",int num);でオシマイ。計算中に時系列で出力ファイルを変えてく時などに、

for(;;){ //ぐるぐる
  int time_counter=...;
  char* output_filename;
  sprintf(output_filename,"%05d",time_counter);
  
  ofstream FILE;
  FILE.open(output_filename,ios::trunc);
  if(! FILE){return(0);}
  FILE<<...;
  FILE.close();
}

とかやるとそこそこ使える。毎回いちいち書くのも面倒だしコードも嵩むんで、もうちょい汎用化してライブラリにしとくと楽。

 めも:Hyposmocoma molluscivora
 絹糸を使ってマイマイを捕食するハワイ産の芋虫。Scienceの速報に載ってて面白かったので探してみた。『死の糸を紡ぐ肉食イモムシ』というタイトルが低予算ホラーっぽくてよい。糸を使った捕食をする芋虫ってのとマイマイを捕食する芋虫ってのが世界で最初の発見例だそうな。いったいどんな経緯で肉食になったのかが興味深いところ。
 それはさておいて、

Then it crawls out of its case and pursues the snail as it withdraws into its shell, and dines on terrified escargot.

…こっちもやっぱりB級ホラーっぽいノリなのか。


07月22日(Fri)

 午前中、おしごと。午後、研究室。
 たぶん今年で最後のこのおしごとも本日で前期分が終わり、後期は9月から。実学志向の学校ということもあって、2年生なのに思った以上に熱心にやってたなというのが印象。出来る人はほっといても出来るというスタンスで、(他人に迷惑かけなければ)やることやったら好きにしてて良いという方針で、さっさと済ませたのがWEB見ててもフリーセルしてても無駄話してるの以外は注意しなかったけど、それすら大して無かったように思う。というか、早々に終わったのが遅れてる人のヘルプに入ってたりしたし。
 基本や実用を少しでも超えた内容になったとたんに熱心さが激減するというのが難点だったけど、近年は割り切って、ほぼ実際に使うものしか扱わなくなったこともあって、基本的に皆スキルの習得に熱心なのが良い。もっとも、授業が終わっても起こすまで寝てる奴も居たけども、授業が終わる直前に眼を覚ますのが特技だった人間としては五十歩百歩なわけで…。

 午後過ぎ、輪読会(占)。
 前半が和気さんの担当で、後半が僕の担当。いやはや、思った以上に手元に資料が無い発表はやりづらい。喋る内容を一通りまとめていったメモを手元に置いて説明したにもかかわらず、重複した情報を喋ったり言い直したりが結構続いてしまった。聴き手には相当判りづらい内容だったと思う。

 軽く落ち込みつつ研究室に戻ってきて、少しばかり雑用。DEADLINEと書いて締め切りと読む。本来踏み越えたらしぬ線なんだよ。しぬんだよ? 自分もやってきたのでその都度死んで、さしずめゾンビな訳だが。自戒を込めて、ふみこえたらしぬんだよ?

 走らせてた計算の結果拾い。ぼちぼち。あと4日以内にマジメな条件を構築する必要があるんだが。お、早速しめきり発生⇒死亡、の流れだ。


07月21日(Thu)

 朝起き、自宅作業。
 雨を嫌って自宅から。前日から夜っぴて本を数冊読んだところで、輪読会も無いことであるしとか考えていたら、結局そのまま一日ヒキコモリをやっていたというのが本当のところ。自堕落でよろしくない。

 内職なぞして糊口を凌ぐ足しに。傘張ならぬ現代の内職は手でなく目ばかり動かす仕事。これはこれで疲れるが金にはなるだけマシという…。夜まで。

 明日の論文紹介の準備を簡単にまとめて、その後はモデルについてのストーリーをあれやこれやと思案。結局のところ、一番のウリはstoichiometoricな効果によってniche positionが一箇所に引き寄せられていくためにBolnick(2001)が述べるように種内競争が激化していく、というところになるのかな。

 めも:『ワンダと巨像』
 発売日が10・27になってる。Amazon.jpでも予約の受付開始。


07月20日(Wed)

 朝起き⇒研究室。午前中、セミナー(カ)。
 大会議室の据付プロジェクターのランプがヘタっていて映りが悪い。時折ノイズが入るのを見るに、おそらくモニタの出力切替装置の端子もだめになりかけ。みな個人もちの端末を持ち込んで抜き差ししてるから、多分その所為。

 前半担当は斉藤君で、研究の進捗報告と今後の予定。マイマイを複数種類調査して、生息地環境と種ごとの移動能力の違いが殻の形態にどのように影響するかを議論する、という内容。説明は判りやすく論理展開もおおむね無理が無いように感じた。とはいえ、具体的に最終的なアウトプットがどうなるのかイメージできず、どういう結果が出るとどういう議論が出来るのか今ひとつピンとこなかったかも。まあ、これは今後の結果次第ということで先に期待ということなんだろう。

 後半担当は山本君で、研究の進捗報告と今後の予定。斉藤君と同じく浦戸で調査した蝶の多様性パターンを中立モデルを土台として、植生・移動の力などを加味して議論する、という内容。とはいえ、具体的な結果はまだ出て無くて方向性について紹介、という感じ。予定通りにデータを採りきって、各種推定も妥当性を確保でき、モデルもうまいこと纏まれば相当な研究になりそうに思う。が、先はまだまだタイヘンそうだ。植生からの種ごとの資源量推定方法は結局よく判らなかった。

 正午から外出してあれこれ私用。午後過ぎ、研究室戻る。

 午後過ぎ、セミナー(カ)。
 月曜日から今日に時間を移していたのを忘れていて遅刻。前半担当の和気さんの論文紹介には途中から参加。Caraco and Miller (1998), Can.J.Fish.Aquat.Sci., (55):54-62.の紹介で、水周りの公害であるアオコの原因である藍藻類の優先要因がpH/CO2/アルカリ度であることを示した論文、だったらしい。途中から聴いたので何ともいえないけれど、問題設定の一番上がアオコならどう考えたってリン量の過負荷なわけで、対処優先の順も(普通は)そのあたりから設定されてると思うのだけど。

 後半は若山さんによる現在の研究内容の紹介。タイトルにあった「のうェ」は一体なんだろうと思って訊いたら盆踊りだそうだ。ウミホタルからルシフェラーゼを収集するための方法を新しく開発してわりと使えるかも、というのと、そのルシフェラーゼの進化的背景を探るためにタンパク解析をしてますします、という内容。相変わらず目的設定と前後の論理展開が明確でわかりやすく、濃密な知識に裏打ちされつつも独自のセンスで展開されるプレゼンテーションは非常に面白かった。

 戻ってきてから雑用あれこれ。メール書きで夕刻過ぎまで。終わってから金曜日の論文紹介の要旨を書いて送る。要旨というかこれでほとんどなんだけど。今回はレジメ等は無いので、フライングだけど要旨を載せておく。短い論文なんだけど、僕が感銘を受けたものを知ってもらおうというのが今回の趣旨。簡潔明快なのが素晴らしい。

Daniel I. Bolnick (2001), Nature (410), pp463-466:
"Intraspecfic competition favours niche width expansion in Drosophila melanogaster".

 (新たな生息地への侵入などによって)多種との種間競争から解放された種は、同種個体との資源競争によって、しばしば新しい資源へのニッチ拡大を起こすことが知られている(たとえばガラパゴスフィンチ)。種内競争が新たなニッチ利用を可能とする進化の駆動力になり、ひいては、別々の資源を利用するような種分化を促す、というアイデアは、古典的な理論研究によって提案されてから近年まで理論的な研究がほとんどで、種内競争によってニッチ利用の進化が引き起こされたことを示す実証的な研究はこれまでほとんどなかった。
 今回、著者のBolnickはショウジョウバエの継代飼育実験によって、この「種内競争によるニッチ進化」の実証例をシンプルかつ明快に示した。具体的には、さまざまな濃度でカドミウム(有害)を含んだ餌を混ぜてショウジョウバエ(D.meranogaster)に与えて飼育した。その結果、世代経過とともに(成長に望ましくない)カドミウム濃度の高い餌を利用できるような適応が見られ、このとき、より強い競争条件下で飼育された個体群の方が悪い餌に急速に適応した。このことは、(奪い合いの競争が小さい)新規餌資源を利用するようなニッチの拡大が、種内競争によって引き起こされたことを示している。

 夜まで、ちょこちょこと準備をしたり少しだけモデル書きしたり。


07月19日(Tue)

 朝起き。正午過ぎ研究室。
 論文読んだりコーディングしたり。全般に集中力不足。午後過ぎバイト、戻ってきて雑用片付け、後、コーディング続き。捗らず。


07月18日(Mon)

 昨日は寝坊でヒビキさんを冒頭見逃したので、今週はたぶん調子が悪い。正午まえから靴の馴らしに外出して歩いたりご飯を食べに行ったりとか。日も照って暑かった。夕刻まで。

 朝起き。
 買い物等済ませて、午後遅くに研究室。要旨受付の締め切りに向けてデータを整形してカワタ先生に状況報告とか。

 今日で申し込み関連のスクリプトが大方の役目を終える(登録とかはまだ動き続けるけど)。幾人かの方から、スクリプトを他の学会用に転用できるようにきちんと整備してフリーで公開してしまえといわれている。使い捨てに作った周辺の細かいスクリプトは兎も角、コアの部分については、既存のバグや泥臭く繕ってある箇所さえきちんと直せれば、公開するのも良いかもしれない。自前で作ろうと思ったときにこのくらいのスクリプトならあるだろうと思って探しても、ちょうど良いのが見つからなかったし(正確にいうとPHPで実装されたものならあった)。
 業者に外注しないで自前でやってしまえばお金がかからないと考えるか、自前でやらないで業者に丸投げするか。どちらの考え方が多いのか判らないし、どのくらい需要のあるものなのかも判らないが。

 エクステーゼを予約してきた。システムどころかゲーム性自体が大幅変更でイースの新作みたいだ。初回特典用に予約したのはいいけど買ってからやってる暇が無いような。

 土日と研究室に顔を出さなかったためか、既に山へ行っていることにされていた。あと一週間と少しなので、それまでにモデルの話をまとめるだけまとめて、山であれこれ勘案できるようにしておきたい。そんな余裕はない気もするけど、なるべく終わらせるだけ終わらせて、戻ってきてまとめくらいなのがペース的には良いなあ。

 "The specialization(略)”、続き。
 大体のストーリを考えつつ、とりあえずAchermann and Doebeli(2003)がいうところのniche positionが固定するような状況下で、資源分布に連続性を仮定させず、かつ有限である状況に関してモデルを書いている。多分そんなに時間は掛からないはず。適応度に関して僕のオリジナルである二等辺三角形を使うか、上の論文で使われている正規分布のものを使うか思案中。解析的な用途のためし正規分布とガンマ分布を使っているのだけど、僕のモデルはそういう面倒なことをしない予定なので、もっともっとモデルの各モジュールはシンプルにしても問題ないはず。おそらく生態学的な根拠の妥当性から云えばそれほどの差がない。
 ここ数日は、出てきた結果を見ながら、ストーリーラインの構築という感じになりそう。

 今週末の輪読会(占)は、僕の担当。Denno and Fagan(2003)(面白いのだけど話題が盛りだくさんで消化不良になるのが心配)と、Bolnick(2001)(面白いんだけどNatureで、短くてレベルが高い)のどちらにするかを思案中。どちらでもあまり準備の手間は変わらないような気がするけど、より愉しんで貰える方が喋り甲斐があるしなあ。


07月16日(Sat)

 午前中、読書。雨が降ってきて様子を見てるうちに機会を失くして自宅作業。。

 スクリプト書いて、進化学会の参加とか発表とかの登録データ整理。だいたい半刻くらいで出来た。これを手作業でやる(メールで受け取る⇒エクセルに打ち込む)とか当初云ってて、考えるだに恐ろしいというか。せいぜい300件だから根性出して頑張れば出来なくはないとは思うけど。作成時間0.5時間(スクリプティングに5分、レイアウトとかデータの整合性の確認とかに20分、位)、処理時間…0.2秒くらい? 手作業でやってどれだけ掛かるか試す気もないが。ついでに要旨のファイルをnkfを呼んでEUC⇒Sjisに変換するのも書く。こっちの処理時間はもう少し掛かって…5秒くらい。この辺の作業はほとんど一行スクリプティングな世界だ。

 午後過ぎから拉致されて、夕刻以降お好み焼きとか焼く。焼きそば込みで割とたくさん。広島風を焼くのは久方ぶりだったけど、まあ適当でも何とかなるというか、どうにでもなるというか。自分で食べてそれなりに美味しかったから良し。

 AT車の運転の話。アクセル(右足)+ブレーキ(左足)だと思っていたのだけど、違うらしい。まあ、そんなわけで、マニュアル車を運転するときに混乱が大きくて、出来る人には「よく足であれほど複雑な操作を日常的にこなせるものだ」と尊敬していたのだけど、どうやらそうではなかったらしい。阿呆だ。
 よく免許取れたねえと感心されたり、五月に車を貸してくれた方の顔が露骨に引き攣ってたり、とか。…御免なさい。


07月15日(Fri)

 午前中、おしごと。午後、研究室。
 そろそろバイクも暑い。研究室についてからとりあえず受け付け雑用。本日が締め切りということもあって、一時間おきくらいに数件ずつ処理にトラップされっぱなし。不毛だ。一応日付が変わるまでは面倒見ることにして(というか23時過ぎてからも[新規]の登録が10件近くあった)、そこから先のメールは多少返信が遅くなってももう知らない。
 輪読会のときに、マキノさんから「結局俺は何すればいいの?」と訊かれる。苦情処理とか頼んでやってもらうより自分で処理して返事書いちゃうほうが手っ取り早いしなあ。

 午後過ぎ、輪読会(占)。前半担当は岩淵君で、Gurung et al.(1999), Aquat.Microbial.Ecol.(17):27-35.の紹介。植物プランクトンと従属性のバクテリアの片利共生関係が光(炭素)と栄養塩(リン)のバランスにどのような影響を受けるかを実験的に調べた論文。内容的には素直にそうかなという感じだったけど、引っかかる箇所も無かった。

 後半は大橋君で、Villar-Argaiz et al.(2002), Ecology(83)7:1899-1914.の紹介。生態学的化学両論においては、動物は恒常性によって体内の含有栄養塩費は比較的一定で、バリエーションが小さいといわれているが、実はステージ間でのバリエーションの大きさは種間のそれに匹敵するほど大きいというのをケンミジンコの各ステージで詳細に追いかけた論文。動物に関してstoichiometryを考慮して共存などを議論するモデルでは、現状ではこのステージ間での差異は全く無視されているのだけど、現実的にはアタマの痛い問題ではある。

 まえに今村君の[寿命]の話を聴いたあたりから、個体レベルでステージ構造を組み込んだ生活史モデリングには少し興味がある。あるのだけど、イマイチ面白いアイデアを思いつかないで放置気味なんだよね。特にケンミジンコでは、この論文にもあるように、発生初期と後期(成体)ではC:N:Pが劇的に変化する。このシフトが生態学的なダイナミクスに効いてこないわけがない。とは思うんだけど、なんか面白い話は出来ないかな。
 今やっている話に無理やり絡めるとしたら、ontogenic niche shiftがケンミジンコでも起こりえて、餌への選択性(選好性)の強さが発生の初期段階と後期で変わってくるかもしれない。これはN:Pよりも特にC:N、C:Pについて顕著であると予測できるので、(培養など)実験的には確かめやすいかもしれない。とはいえ、これがアイデアとしてぜんぜんダメとも思わないけど、実際にやりたいかといわれると微妙だ。

 で、戻ってきてから、登録データの整頓用スクリプトなんぞぼちぼち書き始め。締め切りは月曜くらいということ。自分の研究用の論文を読んだりと気分が脇道にそれてちっとも作業が進まず。

 "The specialization(略)”、続き。
 簡単にアイデアを書き出してみる。わりと適当に書きなぐっている状態。やることがあれこれに分散していて、気分的にも集中できずどれも進まない、という実に嫌な状況だ。


07月14日(Thu)

 午後、研究室。
 ひさびさに午前中を読書にあてる。どんどん積読が高度増加中。そろそろ雪崩れそうな量が。

 雑用あれこれ。専用MLの新規作成。今年で3年目となり、人数増えたからねえ。

 進化学会登録、いくつか苦情処理。要旨の登録内容の確認メールが一部のメーラにて化けるというのが頻出しているが原因不明。サーバ側で保存されてる内容は問題ないから、要旨スクリプトの方のeuc⇒7jis(sendmail::postfix)の処理部分での文字コード拡張の問題かな。補助漢字コードあたりを7jisに変換するあたりが悪さしてるような気はするんだが。

 夕刻輪読会。戻ってきて文献読んだり整理したり。Ackermann and Doebeli(2004)、を一通り読み終わる。あと数本残っている文献を読めば、大体手札としては揃った感じ。そろそろアイデアを纏めに入ろう。


07月13日(Wed)

 朝、研究室。
 午前中、セミナー。前半担当は飯島さんによる、Lopez(1999),Anim.Behav.(57):1129-1134.の論文紹介。グッピーの性選択と寄生虫の関係の話で、オスの体色の派手さは健康(寄生者非感染 or 抵抗性が高い)の指標であるという仮説に対して、グッピーのメスが寄生者感染によってfemale choiceを行わなくなるということを示す内容。飯島さんは調べられてないので調べたという空きニッチ的紹介をしてたけど、オスでなく敢えてメスを調べようという天邪鬼な発想は好きだ。ロジックや手法に対して腑に落ちないところが幾つかあったけど。

 後半、マサヤ君による研究報告。見習うべき点の多い丁寧なプレゼンテーションで、モデルの箇所以外の説明は概ね判りやすかった。本人も少し行き詰ってると言ってたとおり、内容的には生態学会のときのとあまり変わらない感じ。幾つか議論をしゃべっていたけど、(分散と遺伝子流動による)種内の個体間バリエーションがどのくらいあるかで種多様性を説明できるという点は結構いけてるのではないかと思う。要所要所の仮定の妥当性に説得力さえ持たせることが出来ればかなり面白い話だと思う。
 モデルの適応度の計算にKirkpatrick and Barton(1997), Ame.Nat.(150):1-23.を使っていて、自分のモデルにも使えないかと思って細かい質問をしたら、バレバレだったようで揶揄されてしまった。

 午後、買出し。
 来週から八幡平への調査に出る占部さんたちの買出しについて行って、登山とキャンプ用の装備を購入。占部さんと鈴木さんにアドバイスを貰いながら、山靴と服上下、Tシャツや肌着等こまごまと買って一月分弱のバイト代がトんだ。

 進化学会雑用。ポスター発表の締切まであと3日ということもあり、登録者数はそこそこ伸びている。のは、まあ喜ばしいことなんだけど、先週くらいから平均して一日1件くらい問い合わせや要望のメールが来る。今後減ることはないだろうしメドイなあ。7月末に八甲田に行ったりとかあるし、ツダ君あたりに丸投げしてしまう、かな…?
 今考えてる話でポスター発表くらい出来ないものかと思ってたんだけど、八甲田行ったり北海道いったりなので結局今回も見送り。進化学に関して(多分)日本でも有数の研究室に籍を置きながら、未だに進化学会とは縁が無いというのもどうなんだろうとか思いつつ。

 "The specialization(略)”、続き。
 実はChase and Leiboldのniche本も、資源利用分割とか最近のトピックについて少しだけ触れていた。が、overlapとかspecies packingなどについての理論研究となると途端にかなり年代が遡る。実証的な研究は論文を検索しても読みきれないほどいっぱい出て来るんだが、これは理論的には『終わっている』ということなんだろうか、もしかして。

 『20th Century』(Sykes)を中古(1000円)で見つけて買ってしまった。97年のアルバムで大分昔に聴いたきりだったのだけど、久々に聴いてもやっぱりカッコいい。とりわけ"Defcon1"とか"Cautionary Warning"とかはズバ抜けて絶品。

 めも:ゆで卵が浮く現象を検証
 卵の回転ネタはこれまでにも、『なぜ回転させると立ち上がるのか?』『生卵で立ち上がらないのはなぜか?』といった、数学・物理・流体力学などの複合問題を生み出してきた、広く人を惹きつけるトピックのひとつ(らしい)。こういうしょーもないことにマジメに取り組む姿勢は素晴しいの一言に尽きて、しかもRyalSoc.をはじめとして相当良いとこに載っている。精密な検証実験は難しいといわれたら、わざわざ「Project Eggs」と命名してまで検証してやろうという気概は、工学の人だけどまさに理学の鑑。(多分)日本人にしか通じないネーミングセンスは兎も角、科学者かくあれかし。


07月12日(Tue)

 正午すぎ、研究室。
 明け方に帰宅して正午前まで寝ていた。良くないリズムだ。午後過ぎバイト。日がな一日、文献探索と論文読み。計算の残り続き。


07月11日(Mon)

 明け方まで原稿の修正。

 正午ごろ、研究室。
 朝起きて、自宅から当面出た結果で作図を始めつつ昼頃までぐでぐでしてしまう。研究室に赴いてから修正稿の仕上げなど。

 午後過ぎ、セミナー(マ)。
 前半担当は田辺君による、『最尤系統推定と分岐年代推定法再考』と題した発表。前半はレビュー的内容、後半は新たな改善のためのアイデアという構成だったけど、前半部は予めある程度知識がないと、ちょっと付いていくのが辛かったような。
 全体的に受けた印象は、相変わらずというか、ますます刀鍛冶のごとき職人気質な方向性に向かっているようで。占部さんの「現実的にどう折り合いをつけるのか」という問いについて、彼は「答えられるけれどもプライマリでない」と捉えているように見えた。現実的にはある程度以上の計算量になったら代替手段にスイッチせざるを得ないという点は認めつつも、それなら計算機が早くなるまで待つという彼の発言にはある種の潔さはある。ただし、理念的な同意は得られても共感はされにくいんじゃないかな、とは思う。

 後半、加藤さんによる論文紹介。Townsend-small et al.(。アマゾン川の水中の溶存有機物にアンデス山脈の支流がどのように貢献しているか調べた、という内容だったのだけど。データが膨大な割にそこから出てくる結論がいまいち薄いような印象。炭素と窒素の安定同位対比について、考え方とどのような推定に使うかという説明はわかりやすくてよかった。

 セミナーの休憩時間と終わってから少し、三浦君の寄生者の感染率のモデルの話の続き。大して時間は掛からずに済む。競争係数を直接計測しようがないので、頻度依存的な自他の密度効果を成長に掛けることで代替する等の、こまごまと実際に採れるデータと採る事が出来ないデータについて訊いて、パラメータの差し替えなどのモデルデザインの調整。
モデルの修正+事前予測のためにすることと採るべきデータと話の落としどころについてあれこれ検討。この件に関しては(多分)僕はもう御役放免だけど、野外データの事前・事後説明の手段としてモデル化しようという試みは大歓迎だ。

 山調査手伝い、追加。
 セミナーが終わって夕刻、調査の打ち合わせに呼ばれて何やらと思っていたら、7月終わりの調査にも組み込まれていた。ええと、初耳だったのだけど。07/27(Wed)-8/1(Mon)八甲田山。水曜日の午後に、私物を含めて買出し。

 論文原稿改訂。
 途中セミナーと調査の話を挟んで、日付が変わって遅くまで。以下、cat changelogs。

model
・藻類トレードオフの説明の追加
・各パラメータ値を各パートで説明するように構成変更
・シンボルや数値の変更など

results
・第1段落を書き換え。
・第2段落を大幅に書き換え
・全般に細かい数値と図表番号の修正

discussion
・構成等変更
(0) general results and justifications
(1) no CNR
(2) CNR - no spatial
(3) CNR + spatial
	effects of CNR
	effects of spatial structure
	effects of the amount of nutrients
(4) mixing
(5) conclusion
(6) The realities
(7) Future works
・再計算に伴う議論の微修正

table and figs
・変数名の変更
・再計算に伴う図の差し替えと説明変更

一部の計算が残っているがひとまず完了。ウラベさんにメール送付。


07月10日(Sun)

 雨にて出るのも億劫ゆえ、昨日は自宅作業。論文原稿、モデル部分の修正作業など。

 早朝起き。午前中。研究室。
 ジェネシスからヒビキさんまで観てから研究室。秋頃に今年も劇場版(時代劇…)とのことだが、むしろTHE FIRSTが楽しみ。放送当時はハスラーTS250(3)にカウリングされていたサイクロンも、CBR1000RRを白赤リペイントにモリワキ、というのになるという噂。それはそれでかっこよさげだけど。

 論文原稿改訂。
 議論部分完了。モデル部分はパラメータ設定の各パートへのマージとtrade-offについての追記、それに伴う変数表の書き換えがまだ。作図は結果待ち、スクリプト書き換えまだ。

 夜、腹が減ったので自宅に持ち帰って続き。

 めも:KNOPPIX3.9日本語版
 急なシステムクラッシュのお伴の日本語最新版公開。僕がそれ以外の用途に使ってないだけで、ホントはもっともっと多様な用途があるのだけど、イマイチ『緊急用』という認識が抜けない。まあ普段固定のPCで使うのに、何も毎回CDからブートしなきゃいけない理由がなくて、Windows端末を一時的にlinux端末に仕立てるより、手近なlinux端末にリモートログインするほうが環境が整ってて楽だし。
 それは良いとして、

CD-ROMの容量調整のため下記を削減しました。 
コンソール環境 jfbterm,jless,kon2,manpages-ja,mew,w3m,wl 

 容量調整て…jless/manpages-ja/w3mの削除するくらいなら、ゲームの類をもっと削ってくれ…。


07月08日(Fri)

 午前中、おしごと。午後、研究室。
 英作文続き。夜過ぎまで。

 午後過ぎ、論文輪読会(占)。
 前半、河内君による、Bergstrom et al.(2003), Freshwat.Biol.(48), 868-877.の紹介。光合成と細菌の捕食の両方が出来るMixotrophic nanoflagellates(MNF)は、食物網において生産者であり捕食者であるユニークな生物。光合成時の栄養塩をめぐる競争相手である植物プランクトンと、餌細菌をめぐる競争相手のHeterotrophic nanoflagellates(HNF)に対して、MNFのバイオマスがどのような要因で決まっているかを調査したという内容だったけど、従来の内容から何が新しかったのかイマイチよく判らなかった。

 後半、下山君によるLouette and DeMeester(2005), Ecology(86)2, 353-359.の紹介。広域にわたる調査地点に池を掘って、その池に枝角類(ミジンコ)がどのように定着するかを調べることで、localな池のspecies richnessがregionalのそれに反映されるということを示した論文。アイデアもやってることも結果も実にシンプルで、時間とともにlocal species richnessが増加するのと、localとregionalの間に正の相関(弱いけど)があることを示している。多分これを足掛かりとして、これから色々と発展させていく予定なのだろう。前半と後半についての岩淵君(だったかな)の評価、「これがFreshwater.Biol.とEcologyの差か」というのは当を得ていたように思う。

 論文原稿改訂。
 議論部の書き換え、続き。構成の変更と加筆など。夜まで。


07月07日(Thu)

 午前中、研究室。
 英作文その他の作業。夕刻、輪読会(カ)。戻ってきて英作文続き。夜過ぎまで。

 論文原稿改訂。
 計算の7割が完了。イントロダクションと結果部分の書き換えが完了。議論部分、前半部分書き換え完了。後半部分の解体完了、現在再構築が途中まで、追記まだ。モデル部の記述修正・説明追加と作図まだ。

 "The specialization(略)”、続き。
 まだ本腰入れて先日のアイデアを詰めているわけではないのだが、文献を探索してみても出てこない。現行の直しはさっさと済ませて、早いところこっちに取り掛かりたいのだが。


07月06日(Wed)

 午前中、研究室。
 明け方までがちゃがちゃと作業をしていたら、寝過ごしてセミナーに遅刻。発表者の丸本君には全く無礼なことをしてしまった。

 途中から聴くことになったが、よく勉強しているし説明もしっかりしていた。最後の保全云々はやや蛇足気味と思うが。保全研究そのものを否定する気は全く無くて大事な分野とは思うんだけど、こういうなんとなく『何か保全に』みたいなのが書いてあるのは、最近(特に多様性理論とかの)論文を読んでいると良く見かけて気になっている。本気でそう思って書いてるなら、まあ、いいんだけど。

 後半、渡辺君による論文紹介。グッピーの性選択による交配前隔離を実証的に検出しました、という内容だった。僕のプレゼンテーションも相当に下手糞だが、その僕からみても、ロジカルで美しいデザインの研究内容をきちんと紹介できてなくて勿体無い。どれだけ酷いかというと、およそ往時の僕に匹敵する内容だった。しかし、当の本人にその旨を伝えても渡辺君はケロリとしてるのだった…。あと中身を把握してない論文は引用しちゃダメ。要約さえ読まずになんてのは論外。
 たとえ研究室内のセミナーといえども、発表というのは聴き手との真剣勝負の場であるという認識がどうにも薄すぎるような。

 ウラベさんより、『山』スケジュールが回ってくる。
 08・16(火):仙台発-札幌泊〜〜17−21:大雪山(野営)〜〜22:移動(糠平泊)〜〜23−25:阿寒方面(阿寒泊)〜〜26(金):釧路発(電車)-千歳(航空便)-仙台、の予定。
 調査慣れしてない僕にとってはかなり長めの調査かつ野営もある。楽しみな反面、足手まといになりそうなヨカンがひしひしと。うう、今から心配になって来た。

 午後、論文書き直し。議論の構成の組み立てなおし。合間に計算条件のチェックなど。大まかな数字が出たので早速計算のほうに取り掛かって、と。

 夜になって、千葉研の三浦君がやってくる。巻貝集団で、各集団の寄生者感染率の違いを説明できるようなモデルを作りたいという話。ロトカボルテラの寄生系バージョン(ただの被食―捕食によく似たLVモデル)のモデルをひねりつつ、各パラメータに状況を想定した仮定を当てはめていく。一時間くらい?
 話が終わったあとで、寄生されたhost個体が非感染者にとってライバル化するのを斉藤君が指摘してくれて(というか、三浦君もそれを言及してたのにアタマの中から抜けてて)、慌てて訂正に行く。帰宅したあとだったのでメモにモデル(被食捕食+競争の複合LVモデル)を書き残しておく。毎度のことながら間抜けというか詰めが甘い。

 終わって、構成組み立てなおしの続き。組み立ては終わったので残るは英作文のやりなおし。早速取り掛かって途中まで。計算のほうもぼちぼち。未着手なのは図のレイアウト変更にまつわる作業か。まあ来週頭の提出期限までには何とか。


07月05日(Tue)

 午前中、自宅作業。午後、研究室。
 午後過ぎバイト。戻ってきたところでウラベさんから読んで貰っている論文について幾つか。パラメータのひとつに計算間違いがあったの指摘と、大きく構成の取り直し(というか説明順序の整理)、図のレイアウト変更・付け足し・差し替えのアドバイス。その他モデルの説明に関する不備やらなにやら全て列挙。書き直しのデッドラインは来週の火曜日に完全な形で読めるようになっていることということで、それまでに提出。

 というか、パラメータのひとつを間違えてたんであわてて計算させなおし。ロジックエラーでは無いので、出てくる結果が問題なく同じような形になるのはラフな計算をして確認済み。とはいえ、栄養塩量とその出力値は変わってしまうんで、定性的な議論が変わらんとは云っても細かい議論を微修正しないとイカン。これはカワタ先生にも報告しとかないとな。というわけで、計算させなおしながら原稿の書き直し。

 "The specialization(略)”、続き。
 niche utilizationについての文献を幾つか読んでいて、ふといまのベーシックなモデルの攻め方というか方向性についてアイデアを思いついた。通常、niche overlapの理論的な説明においては、競争が強くなる(=競争者同士のニッチの重なりが大きくなる)と、それを避けるようにして資源利用曲線を細く高い山にして林立させる形で共存を説明する。これは見方によっては競争が強くなるほどspecialist化が進むといえる。
 これに対して、消費者による餌の質と獲得の効率化を考える僕のモデルにおいては、このプロセスが全く逆のロジックになる。すなわち、『良い餌』に対して好みが集中して取り合いが激化していくと、込み合いを避けるようにgeneralist化が進む(かもしれない)。この場合、適応度の計算を餌の質によっても計算する以上、別々の餌に特化するという選択肢は、おそらく出てこない。

 と、ここまで考えたのはいいんだが。これって、ニッチの中央値が動かないと仮定した場合に、集団内でのニッチ幅のシフトがどう推移するかを見ようとしてるだけだ、というのに気づいてしまった。何ぼなんでもこの程度のアイデアは(餌の質の云々は抜きにしても)誰かしら思いついて既にやってるに違いない。うーむ…、あんまり魅力のあるアイデアでなくなってきたような。とりあえず、どういうオチになってるのかだけでも探してみるか。


07月04日(Mon)

 午前中、自宅作業。午後過ぎ、研究室。
 止まぬかと雨を窺いつつ午後過ぎまで自宅で論文を眺め、仕方なく小降りになったところで合羽を羽織って青葉山。途中で雨脚が強まって結局濡れ鼠。

 先週末より続いて論文読み。なぜか一部の文献を印刷しようとすると"i"と"u"が印刷されないという怪現象。多分PDFのフォント周りのトラブルだと思うんだが解決方法わからず。駄目もとで研究室のMachintoshに持っていって印刷したらうまくいった。謎だ。

 午後過ぎ、セミナー(マ)。
 前半担当は八神君による研究計画。山プロジェクトの簡単な紹介と、彼自身の研究テーマである高山湖沼のプランクトン群集構造の決定要因について考えるという内容(の前準備調査)。多様性の決定機構として、bottom-up(高山⇒植物由来のDOC少ない=貧栄養)やtop-down(魚の不在によるサイズ性)にならんで、中規模撹乱説を調べるべき仮説のひとつに持ってきていたが、撹乱強度と種の『補給』頻度をどのように調べるのかと(ホントに出来るのかという積もりで)質問したら、どうするのが良いですかねと逆に訊き返されて困った。

 後半は山本君による論文紹介。ニホンイモリの性フェロモンペプチドは複数の遺伝子座によって何回もコードされてて、各遺伝子に地理的な多型があったという内容。特に奈良産のものには変異型のペプチドを受け入れられるメスが居て、種分化の過程になっているのかも、という話だった。

 セミナーのときに、ウラベさんから八神君(というか山プロジェクト)の北海道調査(大雪山・阿寒湖)で人手が足りてないのでやらないかというお誘いをいただく。八幡平・八甲田は置いていかれることになってしまったのを実は拗ねてたんで、喜んで連れてって貰うことにする。八月なかば頃とのこと、あとできちんとした予定を訊いておかないと。問題は僕の体力が無さすぎる点で、とにかく作業ボトルネックにならんようにせねば。

 "The specialization(略)”、続き。
 戻ってきて論文読み、続き。毎度のことながら、文献を一つ読むと読むべき論文が二つ増えて、この状況は最初からずっと変わらない。あっちこっちに目移りしてるからなのか、根本的に自前の手札が少なすぎるからなのか。多分両方。短気でせっかちなのでもう焦れてきた。
 あとDoebeliの書く論文はどーにも難しい。イントロダクションは然程でも無いのだがモデルに入ると途端になんだかよく判らなくなる。まだまだ読み終わらずに格闘中。

 「L-Vが役に立たない」(06/28日付)ですと?
 LVモデルは、聴き手を判ったような気にさせて丸め込んだり言い包めたりという、『聴き手を煙に巻く』ためのベーシックかつ汎用なツールとして使い勝手が良いのです。間違っても現実に役立つ予測を導こうなどという不信心を起こしてはイカンのです。アレは本来、そういう『上手な使い方』を教わるべきなのです。それを『現実的でない』だの『役に立たない』だの、なんという罰当たりなことを! 信仰心が足りん! …とか煽ってみる。

 冗談はさておき、ガチガチの解析的研究のなかには、何をしてるんだかやりたいんだかがよく判らないのもまあ多々ある。しかし、すくなくとも捕食ー被食について云えば、LVモデルには(特に比較的単純な実験系の)データとよくフィットしている事例もたくさんあると思う(競争に関しては僕が良く知らないので何ともいえない)。
 たとえば、僕が多種藻類の共存機構の研究で使っていたモデルも(Droopのモデルやらstoichiometricなアイデアを加味したものだけど)おおもとを辿れば、実は捕食ー被食のLVモデルの形に集約できて、これらは室内実験のみならず大規模隔離水界実験や湖沼間比較の野外データを現実的によく説明するからこそ支持されているモデルどもなわけで。

 そういう意味で、様々な要因を重要だと思われるものから順番に追加していけば、いくらでも現実性はあげられるし、(多分)予測性も上がるとは思う。思うけども、LVモデルはecological theaterを舞台とするplayer同士の関係を『可能な限りシンプルに』記述しようとするのが理念として重要なんだと思う。

 余談。微分はおろか割り算掛け算の式を見せただけでも、聴き手のやる気レベルが激減してしまう点に関しては大いに同意。式から(モデラが何を重視して何をオミットしているか、とかいった)意図を汲み取るプロセスは、意外と楽しい作業だと思う。説明を長々読まなくても式を見るだけで一発で判る論文もある。だけども、親しみの無い人・知らない人になんとか説明して判って貰おうとするのはタイヘン難しい課題だ。


07月03日(Sun)

 週末は町へ行ったり、バイク用品店に行って6年ぶりくらいにグローブを新調したり、溜まっている本を読んだり、持ち帰った文献を眺めたり。

 『ヴァン・ヘルシング』観た。前からちょっと気になっていたのをレンタルしてきた。話のストーリーは特に無くて、月下の夜想曲(実写版)という感じ。噂に違わぬ馬鹿映画で面白かった。自分の好みとしては『アザーズ』(近頃観た映画の中で一番面白かった)のような映画の方がはるかに好みなんだが、たまにはこういうただのアクション映画も悪く無いかも。


07月01日(Fri)

 今日から7月。

 午前中、おしごと。午後過ぎ、研究室。
 昨日に続き、文献漁りをしばらくのそのそやっていたら、津田君が基点となるような論文を教えてくれた。Ackermann and Doebeli(2004).。此処から孫引したところ、眩暈がするほど関連研究が出てくる出てくる。まずはこの論文と、Nosil(2002)あたりを主軸に据えて、おべんきょおべんきょ…。

 午後過ぎ、輪読会(占)。本日の担当は石川君による、Frost and Elser(2002),"Growth responses of littoral mayflies to the phosphorus content of their food",Ecol.letters.の紹介。モデルを自力で理解したりと相変わらず大変だが、油断が出来ない緊張感は良いかも。「採ってきたデータを僕らのモデルがここまでよく説明できる」という論文内容は見事だ。夕刻までかかって予定していたもう一人の担当の和気さんの分は次回。


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